余白

https://blog.lacolaco.net/ に移転しました

もし英語がGitHubで開発されていたら

電車とか暇な時はよくこういう意味のない空想をする。空想なので何か伝えたい事があるわけでもなく、破綻していても怒らないでほしい。

 

もし新しい自然言語を定義するときにGitやGitHubがあったらどうなるか、あるいは英語がGitHubで開発されていたらどういうプロセスがあっただろうか。

 

自分がいまから自然言語を新しく作るとしたら、まずは基本的な品詞の定義から始めると思う。ここはたぶんひとりのauthorが決めてしまう部分。

 

品詞ができたら、次に文型の定義に進む。文型はSV, SVOだけが最初は定義されるだろう。しかしSVだけではVの責務が大きくなるため、VをパラメタライズするSVCが提案され、おそらく認可される。("大人になる"という動詞を具体な単独のVではなく"become an adult"という形にVを抽象化してCに具体を逃がす)

 

問題はSVOOだ。誰かがSVOOのProposalを提出してくるが、ここでたぶん保守派と革新派でさんざんIssueが炎上する。なぜならSVOOはSVOに前置詞+名詞の副詞句を付与すれば互換できるからだ。(give me a penはgive a pen to meで互換できる)同じ動詞でSVOとSVOOどちらにも対応するために再びVの責務が大きくなる。しかし結局動詞が複数の目的語を取ることができるようにパッチが入る。

 

いちどSVOOの前例を認めているので、SVOCのProposalはあっさりとコミュニティに受け入れられ、またバージョンアップする。Vによって取りうる文型が変わることになりせっかく品詞で抽象化したはずが文型と単語が密結合する。言語全体の抽象レベルがここで下がる。

 

品詞と文型が決まったらここからはとにかく単語を追加していく。PRが飛び交い、並行してどんどん単語が生まれていく。ただしレビュアーが統一されていないため、同じ表記で違う意味の単語が追加されていく。仕方なくコンフリクトを解決して同じ単語が名詞、動詞、様々な用法に対応するようになる。そして品詞による抽象の設計は破綻し、単語と密結合した言語になる。

 

飽きたのでここまでで終わる。英語をフォークしたらまずは品詞と文型による抽象の設計からやり直したい。英語ってある程度までは暗記で、それからもう少し潜ると抽象が見えてきて少しシステマティックになるんだけど、根っこの部分でやはり抽象が破綻していて難しい。