次世代Webカンファレンス、お疲れ様でした!
ありがたいことに2015年に続き、フロントエンドのセッションで登壇させてもらいました。 楽しかったですが、やはり80分のなかで話せることは限られますね... 次世代らしい話を求める期待に応えられたかはわからないですが、僕個人としては「まだ話せたな」というのは正直なところですね。 kobaさん、kazuponさん、takanoripeさんとはまたじっくり話したいです。
動画はYouTubeにアップロードされています。
内容の振り返りはひとりでやっても仕方ないので、当日に備えて用意していたネタ帳を一部公開してみます。
Webアプリケーション開発における "当たり前" の水準の変化
ちょっとだけ話せたネタ
- 型がある開発は当たり前になってきた
- 状態管理というものを気にするのが当たり前になってきた
- コンポーネント設計(分類)をするのが当たり前になってきた
- 無料のHosting、CDN
- 無料で使えるVS Code
- 無料のHTTPS
- 次の当たり前はなんだろうか
- Web WorkerやTaskletを使ったマルチスレッド化 GoogleChromeLabs/tasklets
- チャンク分割と遅延読み込み
- 今はまだ職人芸が必要でも、AIに仕事を奪ってもらうことで当たり前になる
- 今の「やりすぎ」は次の「当たり前」になる。要求も上がる。そうして水準は上がっていく。
仕事の専門化、細分化、先鋭化
まったく話してないネタ
- バックエンドのサーバーレス化が進んだ先にLambdaやCloud Functionなどを扱うのは今のフロントエンドエンジニアになりそう。そうじゃないとUIだけではユーザー体験の改善に及ぼせる影響は限られるから。
「Webらしさ」
これもまったく話してないネタ
- 最近気になっていること:本来は静的なコンテンツを、アプリケーションとして実行しないとアクセスできなくなることへの危機感
- Wordとかと同じ。コンテンツはそこにあるはずなのに、Officeがインストールされてないと読めない
- HTMLもそうじゃんって言われたらまあそうなんだけど...
- 20年前のテキストファイルにはアクセスできるのに、去年のWebメディアの記事がJSのエラーで読めない、とか。
- 静的なコンテンツは静的にアクセスできることがWebがWebらしくあるために自然な形じゃないか。Webとは誰でも自由にコンテンツを作れて、そのコンテンツ同士のリンクが網目のようにつながっていくことで作られていくことに本質があるんじゃないか。
- だからどうしようっていう考えがあるわけじゃなくて、単に気になってるだけ。旧世代Webじゃんって言われたらそうかもねってなるんだけど、個人的には諦めたくない。
- ちょっと違う話。これは完全に夢なんだけど。ブログ、Twitter、Facebook、Tiktok、YouTubeなどさまざまなプラットフォームに分散した様々なコンテンツ同士をWebとして結びつけるのに、Web Componentsの可能性を考えている。
これ、前日にあれこれ考えてたらひとつ記事になっちゃったので、次世代のAngularについてはこっちを読んでください。
基盤の話
これもまったく話してないネタ
- ブラウザは基盤だけど、さらに下の基盤も変わりそうだし思考実験くらい始めておいてもいいんじゃないかな、と思っている。
GDPRとか。プライバシーの話
これもまったく話してないネタ
- 今は人間が頑張って対応した・してる・しようとしてる
- Cookie使うときにブラウザが自動で同意求めてほしい気もする。
- これも新しい当たり前になるかも?
だいたいこんな感じのことを前日までぼんやり考えていました。
GoogleやApple、あるいはFacebookとか、シリコンバレーが作る潮流にどうにか付いていって波を乗りこなそう、という受け身な態度になりがちですが、 Webの多くはオープンソースだし、通るかどうかは別としてたいていのことには意見できます。 まだ誰にも答えがないことこそ、日本でも議論する機会があれば議論して、どういうWebを作りたいかを積極的に訴えて変えていく姿勢も必要ですね。
日曜日に寒い中、朝からカンファレンスに来るほどみんなWeb大好きなんだから、 「Webがどうなるか」だけじゃなくて、「Webをどうしたい」をみんなで考える2019年にしていきたいと思う、いいイベントでした。
それでは。