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プロダクトバックログにおける緊急度について

バックログアイテムの緊急度が高いということは、そのアイテムの価値(重要度)のピークが今その瞬間にあるようなアイテム、または時間が経過すると重要度が急速に逓減するようなアイテムだと言える。今やらなければ意味がない、今やらなければ間に合わない、そのようなスケジュール特性をもったバックログアイテムが「緊急度が高い」と言われている。

このスケジュール特性は、リソース効率を重視する場合には重宝する。リソースを効率よく配分するには、それぞれのアイテムをいつ開始していつ完了するのかというスケジュールをパズルのように組み合わせて、アイテムを並行させながら進行させたい。リソース効率のためならば、より重要なアイテムがあったとしてもうまく他のアイテムの進行と噛み合わなければ後回しされることもある。したがって、リソース効率重視の優先順位付けにおいては、スケジュール特性としての緊急度は必要なパラメータになる。

一方で、フロー効率重視の優先順位付けにおいては、スケジュール特性はパラメータとなりにくい。重要度の高いアイテムのフロー効率を重視するならば、より重要なアイテムをより早くデリバリーしていくほかない。その場合、スケジュール特性はアイテムを完了するために必要な予算や人員など、いわゆるトレードオフスライダーにおける制約として影響するだけである。

プロダクトバックログにおいて緊急度を重要度に対抗しうる特性として捉えるということは、その優先順位付けがリソース効率を重視しようとしていることの現れであると言えるのではないか。それ自体が問題であるというわけではない。ただ、フロー効率を重視したデリバリーを志向しながら実態がそのようになっているとしたら、優先順位付けの基準を見直さなければならないのではないか。